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ガバナンス・ファンドの対日株式投資への警戒感
(2004年10月05日)
カルパースは4月14日、株主価値の増大を図ることを目的としたコーポレート・ガバナンス関連の投資ファンドで対日株式投資を 2億ドル行うと発表した。このファンドは株価が低迷していてもガバナンス原則を梃子にすれば、将来的に経営の改善の余地がある と思われる日本の中堅・中小の上場企業へ直接投資、つまり株式取得を通して企業資金を提供し、ガバナンスの改善を通じて企業価値が 上昇した会社を、数年後に売却してキャピタル・ゲインを得ることを目的とする。

カルパースが運用を委託したのは、破綻した米・韓・日企業への投資で知られる米系有力ファンド、WLロス・アンド・カンパニー (以下WLRという)とカリフォルニア州の投資会社タイヨー・パシッフィク・パートナーズ(以下TPPという)との共同出資会社。 WLRはウイルバー・ロス氏が1997年に設立したニューヨーク州の投資会社で、日本では関西さわやか銀行(本店・大阪)の買収に 係わったことで知られている。 このファンドの総運用額は10億ドル。当面カルパースはこの投資会社のファンドに20%出資したことになる。 日本側のパートナーであるTPPは、このファンドは企業の買収を目的として経営陣に敵対的な立場をとるものではなく、企業再生を目的としていると述べている。しかし、カルパースは従来から「カルパール効果」を公表していることもあり、ガバナンスの改善の余地のあると思われる日本企業に対してその株式を大量に保有し、ガバナンスを主張して財務と業務両面から経営改善の圧力をかけ、結果的にファンドの運用がベンチマーク(例えばTOPIX)比プラスアルファになるよう目標を設定する可能性があると思われる。 今年2月にカルパースの理事長に就任したハリガン氏はこのファンドについて、「ガバナンスを積極的に効かせるこの種の投資戦略は過去においても成功して来たし、投資運用益の増大にも貢献して来た。今回のファンドは日本の産業界で支配的な力を有してきたメガバンクと伝統的な経営を行って来た現経営陣に対して、“モノ申す”株主として経営改善のために主導的役割を果たすことになるだろう。またこの種の投資を日本において行うことは低落している株価の面からもタイミングは良い」と述べている。このファンドはTPPとWLRの両社が主体となって、5人の役員で運営されるが、ファンドの投資委員会の委員長はウイルバー・ロス氏がなる。 カルパースは日本において同様のファンドを昨年9月にスパークス投信とともに2億ドルにて組成しているため、ガバナンス・ファンドは合計4億ドルとなった。 ゴルフ場、不動産、銀行などの不良債権を蘇生することを目的として格安の価格でこれらを購入してきた「青い目」の資金が、株価不振の上場企業の株式をも大量に保有し、ガバナンス改善を求めて日本の経営トップにモノ申すことが具体的に多く行われれば、狙われる企業経営者はその対応に大変なエネルギーと時間がかかることが考えられるため、「外資」(カルパース)に対する警戒感が出てこないとも限らないと言えよう。
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