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事態発生時対応
(2006年06月07日)
1.緊急(危機)時の対応体制づくりについて
第一報受信者、第一発見者の取るべき行動。報告を受けた部門長の動き、三者会議・施策決定機関と事務局機能と体制、承認組織の役割など。 また、外部の弁護士やコンサルタントとの連携を含む施策を具体的に実施する部門体制などを、最新の組織・人事に合わせて構築しておきたい。

重要なのは、第一報を受ける部門長の資質である。報告を受けた部門長が事態の軽重をどの程度まで想像できるかである。とかく、過去の成功体験を もとに部門内で収束させようとしてしまう。通常は、最悪の事態(ワースト・ケース・シナリオ)を想定し、上位組織である三者会議に諮問すること である。当該事態に最も関係する部門、総務部門(法務部門)、広報部門の各部門長(アシストとして第二担当者を指名しておく)からなる三者会議 では、事態の推移を想定し、部門対応で収束できるのか、全社対応とすべきかを決定する。全社対応と決定した場合は、三者会議決定の施策内容の 書面作成と全部門との連絡業務などを支援する事務局を組織する。最終決定は代表を長とした承認機関である。事務局は承認後、各部門に会社の基本 姿勢や対応メッセージを伝える。伝えられた各部門は関係するステークホルダーへのメッセージや対応手法を長くても90分以内にまとめ、事務局を 通じて三者会議の確認と承認を得て対応に着手する。

収束の長期化が予想される場合は、対応する人間、休息する人間の体制づくりも考える。多頭制である。また、各部門は実施経過や結果状況を把握 して事務局を通じて三者会議にフィードバックする。三者会議は新たな情報や事態をもとに適切な対応法を再度策定する。実施部門と三者会議は 事務局を中心に収束に向けて情報と施策が行き交う。業務内容や事業規模でそれぞれ相応しい体制づくりが考えられる。
2.記者説明(会見)時の手法について
最近、多くの事件・事故でこれまででは考えられなかった中小事業規模の会社や個人がマスコミと会い、事情を説明しなければならない場面が増えて いる。事態によっては。マスコミが企業の存続や個人の生命・財産・人格に及ぶ内容まで触れる報道方針をとっているからである。通常マスコミ数社 (3社以上)から取材要請を受けた場合、マスコミを一堂にした説明会(会見)を開催する。

では、どのようにしてマスコミを一堂にして説明会(会見)を開くのだろうか。 何(メッセージ)を伝えるのか、対象マスコミをどこにするのか、マスコミへの連絡法は、マスコミを召集する案内状の構成・文面は、会場は、誰が説明するのか、マスコミに渡す書面は、想定される質問は、その回答内容は・・・・など、説明会を開くことで準備あるいは決定しておかなければならない項目が多い。危機時のマスコミ対応では、謝罪姿勢・服装、メッセージと言葉使いなど、より慎重な心得が求められる。

過日のある事件で、逮捕された容疑者の供述内容がそのまま報道された。容疑者の供述内容について事実誤認であることを元勤め先企業は即書面でマスコミ各社へ送信対応、その“名誉”を確保した。これは適切な対応事例だが、できれば、広報部門を抱えてない企業では社内に一人くらい“広報”にかかわる人材を育成し、緊急時に対応できるような体制も整備しておきたい。 マスコミが報道して、社会が知る“事件”となる。一度のマイナス報道で、どれほどのダメージを蒙るかを常に考えておきたい。マスコミ対応はメリットもあればデメリットもあることも事実である。
3.ステークホルダー対応、メッセージ開発と適切手法について
業務で通じて社会とのかかわり意識を持っていれば、利害関係者(ステークホルダー)は推測できる。企業の社会的責任視点では利害関係者は狭義と広義に分けることができる。前者は、従業員とその家族、取引先(顧客/消費者)、関連・協力会社、株主・投資家、地域社会、地球環境などが挙げられる。後者は、重要なマスコミ、競合会社、監督官公庁、国際社会などである。 不祥事態が発生した時、その事態に関してこれら利害関係者に「何を」「いつ」「どのように」伝えるかが重要になる。 これには、まず社としての公式発信内容(メッセージ)を開発する。ただし、発生直後から事態は一刻一刻と推移する。しかし「誠意ある姿勢」の軸をはずしてはならない。よくあることだが、発信内容を手許に全て揃えてから初めて対応するという姿勢は、マスコミや社会では容認されないことを知っておきたい。

発信内容(メッセージ)項目は、組織(会社)説明から始まり、事態の事実内容、現時点の対応内容(体制と具体的施策、実施している対応)、事態の今後の推移(推測できる最悪の事態)、過去の不祥事態と対応、社員や関係会社の不安払拭内容などを最大でも20項目くらいに分けて箇条書きにまとめる。この個別メッセージを伝えるべき利害関係者別に内容を組み合せる。次に、発信時期と伝える手段を対象別ごとに決める。一斉対応が理想だが、まずは社員の意識を固める意味から社内対策に着手し、順次対応先を決める。そのとき、当該事態の被害者にとどまるのか、あるいは二次加害が想定されるのかで、その優先順位は異なってくる。社会通念上間違った対応は、企業そのものの姿勢や存在を問われる事態にまで波及することを知っておこう。
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